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囀る鳥は羽ばたかない

囀る鳥は羽ばたかない24話のコメントから考察してみる。『怖い』編。

12/07/2016

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離れられない、逃がしてやれない

恋をするつもりはなかった-double-

ここ数話、本当に毎回皆さまからの感想いただくのが楽しみで仕方がないです。ひとりだと一つの考えしか思い浮かばないけれど、たくさん感じたことやこうだと思う!というのをいただくと、へぇ~こんな見方もできるのかぁ・・・そ・・そうだと思う!すごい!と思う事がたくさん。かなり皆さま・・・囀る鳥は羽ばたかない24話そして過去ストーリーを読み込んでいらっしゃるなぁと。。。私も力が入ります(n*´ω`*n)

 

では、毎回恒例になってきましたが、たくさんの考察を読むのってすごく今後の展開の妄想も広がるし、ストーリーが進んだ時におぉやはり!とかこれはヨネダコウさん凄い!!!って振り返れるので楽しいですよね。

 

ちなみに、24話のネタバレ感想はこちらです。

 

ちょっと最近ストーリーが一気に動いてきたのでたくさん「ここはこうなのでは?」というのが出てました。

なので22話、23話のように一気に掲載していくとまとまらなくなってきたので1つの事に対して1つの記事でいこうと思います。

 

興味のある方のみ以下に進んでみてくださいね!

 

 

 

矢代の「怖い」という感情について

22話~ずっと出てくるこの「怖い」という感情。今回もコメントでたくさんいただきました。コメント欄で読めたりするのですが、メールや拍手コメントでいただいたものも多くありますので紹介したいと思うのと、考察するのに幅が広がると思うので共有したいなぁと思います。

 

今回の24話は「失う事が怖いだけなら どうしてここにいる俺を怖がるんですか?」という百目鬼のセリフがありますよね。このセリフから矢代の「怖さ」というのは単純に「百目鬼を失う」ことの怖さだけではないというのが分かります。

 

とうことで、矢代の怖さについてを考えてみると・・・・興味深いことに、多くの方が「矢代の生い立ちにも関係がある」とコメントを寄せてくださいました。そしてその中でも「孤独」のフレーズがすごくたくさん!

 

 

◆生い立ちや生き方を考えれば、自分を幸せとは思っていないけれど卑下はしていない。むしろ矢代は今までの生き方を肯定している。(1巻では自分の事を好きだと言っている。)人を好きになって、好きな人に好かれるっていうのは、未知のドキドキなんていう事ではなくて 矢代にとって、自分の生き方を振り返らなければいけない行為だと思う。恋人同士のように想い合う、触れ合うっていうのは、慣れてないからってだけではなくて矢代にはすごく未知の恐怖なんではないかと思う。

 

◆影山の時に絶望を味わったように、誰かを好きになって失うことは、また自分の中の孤独と向き合うことだから、やっぱりもうそういうのは矢代にとっては 怖くてしょうがない事なんじゃないかなって思ってしまう。

 

◆(幼少期)大人は誰も助けてくれなかった。彼は自分で自分を守らなくてはならなかった。心をある意味閉ざして鍵をかけ、あの繰り返された行為と受けざるを得なかったその頃の自分を、ナンテコトナイ、俺は淫乱だから、って思うことで肯定し、保ってきたのかなぁと思ってしまう。
だから自分が想われることに慣れていない。自分も相手を大切に思わなければ、いなくなっても辛くない。1人で孤独と感じることもない。でも百目鬼は違ってた。インポじゃなくなって、身体を合わせてしまったら、影山の時に感じた孤独を、もっと感じることになってしまうかもしれない。

 

 

コメントをいただいてからふと思いついた箇所がありまして。百目鬼の事を考えるとふと出てくるのがやっぱり①マゾである性癖 ②「孤独」なのかなと思ってしまいました。矢代は、自分の今までの人生を受け入れていてむしろ「好き」と思っているだろうなと思える箇所は数か所あります。それでもこの箇所は少し矢代の本音が伺える箇所なのではないのかなと・・・・。

 

私の注目した箇所は2巻138P(Renta!のページ)

撃たれた矢代百目鬼を見て「ホント かわいー奴・・・」というセリフから過去の出来事に変わっていく場面です。

矢代が義父に襲われているところから始まります。これは矢代の性癖を作ったともいえる元凶の出来事・・・。

 

(あぁ・・・・なんてもん見せやがる)

 

俺は 全部受け入れて生きてきた

(なんの憂いもない 誰のせいもしていない)

俺の人生は誰かのせいではあってはならない

 

(人間を好きになる孤独を知った)

(それが男だという絶望も知った)

 

(俺は もう充分知った)

 

矢代は自分の事や自分の人生をきちんと受け入れているし、結構好きだ(1巻P94)とも言っているので肯定はしているのですよね。でもこの場面を再度読み返してふと思いました。この幼少期の場面は百目鬼の存在があるからこそ振り返ってしまった自分の人生なのではないかと。

 

受け入れていると言っても、これらの出来事は矢代にとっては恐らく思い出したくない嫌な出来事だと思えるのですよね。「なんてもの見せやがるんだ」と思っているので。

 

①義父に最初に襲われた時、我慢して我慢して受け入れているのが分かる描写。(自分の性癖を作った元凶です)

 

②そして影山との事。「孤独」をはじめて感じてしまったこの場面。

 

百目鬼の事を考えてこれらの事を振り返るように見ているというのを読むと、無意識にこれらがに矢代の「怖さ」のもとに繋がるのではないかと思ったんですよね。

 

まず①、1巻で百目鬼に「おれみてぇな人間にまともなレンアイなんてできるわけがねぇ」(P90)※Renta!と言っています。矢代はセックスなしじゃ生きられないカラダになってしまったし、主に外的要因による痛みと自傷行為によって快楽を味わいそれによってオルガズムを得られる性癖 「マゾ」です。

 

①は、自分の歪みを再確認してしまうものですよね。「人間嫌い」になった出来事でもあり、「マゾ」になってしまった元凶でもあり・・・。それでも全部受け入れて「俺は俺の事が好きだ」と思えるまでになったんですよね。でもこの場面は、人間でまた好きになった百目鬼との「普通」を本当は心の奥では望んでいるから見てしまったものなのかなぁ・・・なんて思ったりもしました。

 

「可愛いなぁ可愛いなぁ」と義父に言われながら抱かれていたのに、この義父は矢代が男のカラダになっていくのを嫌がったと漂えば~のところで書かれています。このマゾになったのはきっとこの義父の扱いがトラウマになったからなのかもしれないなあ・・・・と。ここはまた次に書きますが「吐き気」に関わってくるのではないかなと思います。

 

だから自分の人生を言い聞かせるように(俺は受け入れてきた)(誰のせいもしていない)

(俺の人生は誰かのせいではあってはならない)と逆に強く想っているのではないでしょうか。

 

百目鬼に「お前はふつうの優しいセックスしそうだから嫌だ」シーンもあったかと思うのですが、このセリフから実は百目鬼とのエロを少しは想像していたという事が伺えます。

 

部下には手はださないと言ってた矢代。それはどうしてかって言うと、上司だと気になって酷くできないだろ?あとあとめんどくさい、というのが理由だったんですよね。マゾですしね。そもそも部下は論外。だけど矢代の事の時のセリフは「お前は優しい普通のセックスしそうだから」”嫌だ”です。部下以前に一人の男性として見ていたという事ですこの時点で既にです。(無意識ですおそらく)

 

そしてなぜその優しい普通のエロが嫌かというところに行きつくと思うのですが、矢代のマゾである性癖が関係してきます。矢代がマゾというか痛みを好むのは過去編(三角さんとの)で描かれている部分が重要じゃないかなと思うんです。

 

「あんたら基本男を好きになるとかないでしょ 男なんかに突っ込むのは性欲処理しかないはずだって自覚している」

「だから俺を蔑む 暴力をふるう 汚い言葉で罵って口では殺すと怒鳴りながら下半身は必死に動かしてる たまんねぇよ」(2巻P184)

 

この場面で三角さんには人間嫌いって言われています。この人間嫌いな矢代にとっては気持ちが伴わない快楽というのが一番重要なのです。

 

エロに関しては「心が伴わなくてもいい」とずっと思ってたんですが・・・今回読み返してみて「心が伴わないこと」こそが大事なのではないかと思いました。だから痛めつけられ罵り、蔑まされることがとても快楽に繋がるのかなと。。。そんな矢代が「普通の優しいセックスしそうだから嫌だ」って言うのは・・・・そこに少なからず心が伴うから嫌なのではないかと考えました。心が伴うエロを体験したことのない彼にとっては未知のもので自分がどうなってしまうんだろう?という怖さもあるのではないかなと。

 

さて、①に関してですが、コメントでいただいた「自分の生き方を振り返らなければいけない行為」というのにおぉ!!!って思いまして。読み返してみると明らかにそのような動きというか矢代の心の揺れがあるのかもしれないと。

 

1巻で「俺は俺が好きだ」と言っているのですが、2巻では「俺は 全て受け入れてきた」「俺の人生は誰かのせいであってはならない」と、そして3巻では警官とのエロを見ないと言った百目鬼に「もうそういう幻滅~みたいなの勘弁~みないな?」と言いながら女々しい自分が出てくるんですよね。

 

どうしても百目鬼の自分に対する気持ちが気になってきた場面でしょうか。「それがあなたのしたい事なら」と言われ表情が一気に変わった場面がありましたね。そして3巻では気になる場面がもうひとつ。矢代のモノを口でご奉仕した百目鬼が飲んだ時、「俺はあんま普通のセックスしたことねぇからわかんねぇけどそれって普通?」「お前は女に飲ませたことあんの?」と。「普通」というのが気になっている場面があります。

 

そして痛みを与えられたものではないのに、その後止まらなくなってしまっていた矢代がなんとも印象的なシーンが続きました。

 

ドМな矢代が百目鬼の口でされただけで止まらなくなってしまうっていうのはこのあたりから矢代自身にも変化が出てきたのかなと。

 

この「怖さ」の中に、受け入れてきた自分の性癖も百目鬼によって変化していっているのがあったりするのかな?と。痛みや自傷行為で快楽を得ていた彼が、百目鬼とのソレは・・・矢代のマゾは発揮されていません・・・。それでも、今まで感じたことのないような快楽を得ているのですよね。

 

自分が変わってしまうような、今までの自分を否定してしまうようなそんな感覚になってしまうのではないかとふと考えました。それも「怖い」という感情に繋がるのではないかと。百目鬼の存在は、今までの自分が作り替えられてしまうような感覚に陥るのではないかなと考えます。

 

実際、何がしたいのか、どうしたらよいのかわからない気持ちが出てきているんですよね。本当に未知の感情がどんどんと矢代の中を埋め尽くしていくので怖いのだと思ったりもします。

ちなみに、性癖といえば・・・漂えど~の場面なのですが、影山に対して「普通に欲情する」ってかいてあったのとそのことが自分の「歪み」だと思っている部分があります。歪みと表現してあるとん?って思いますが、「マゾ」である本来の自分とは違った欲望を持ってしまう事への「歪み」なのだと思います。

 

 

そしてそんな矢代は影山を「泣かせて痛めつけてみたい」と。「でも拒否されたら簡単に傷つくだろう 確実に」これも矢代の歪みだと言っています。好きな人を目の前にしたら、他の人では抱かないような感情を持ったり自分を傷つけられたり傷つけたりするのが快楽へ繋がるマゾなのに、影山には傷つけられたくないというのが読み取れるのかな・・・と。

 

好きでない人間と好きになった人間との間には真逆の感情が出てくるのかなぁと。この描写を百目鬼に当てはめると、気持が膨らめば膨らむほど矢代は自分自身が傷つくのをすごく恐れているのではないかなと思います。(ここら辺は単なる予想ですが)

 

ここを読むと・・・普通のセックスしそうだから嫌だって言ってた矢代が百目鬼を車内に引きずり込む21話の描写は・・・・矢代の「歪み」なのだろうなぁと。これは特別な人にしか発動しないものですね。そして23話でも「虐めたい傷つけたい」そんな感情が出てきています。矢代ってマゾでもありサドでもあるんですよね。。。影山も泣かせたい、痛めつけたいという感情だあるのを思うと、百目鬼へのこの感情もある意味好意の表れなのかなと思ったりもしました。

 

要は・・・好きは人に普通に欲情するけれど、拒否されると簡単に傷ついてしまう自分がいるという事です。影山同様に、百目鬼に関しても簡単に自分は傷ついたりするから「怖い」というのもあるのではないかな・・・と。

 

②ここの「孤独」を感じた場面。矢代が初めて「孤独」を実感し号泣した漂えど~の場面が出てきています。

人をはじめて好きになって感じてしまった「孤独」・・・これは号泣してしまうほど矢代にとっては耐えられないことだったと考える事ができます。

 

この場面は百目鬼を見て「かわいー奴・・・」と言いながら振り返った場面というのが重要だと思うんですよね。意識が薄れる中で見たこの景色はなぜか・・・。

 

 

個人的にはこの②が一番の「怖さ」の元だと思えます。「孤独」「絶望」・・・。「俺は もう充分知った」悲痛なまでの矢代の叫びみたいなもの読み取れます。でも・・・これも百目鬼を見たあとに出てきた場面として大いに意味があると思いました。

 

「人間を好きになる孤独を知った」のにまた好きに・・・・、「それが”男”だという絶望も知った」のにまた男を・・・「もう充分知った」はずなのに・・・なんだと思うんですよねこの場面は。

 

矢代にとっては「孤独」「絶望」はもう二度と味わいたくない感情だと思うんです。もうあの時充分しっただろ俺!って言っているように思えるんですよね。それなのに百目鬼の存在が否定しても否定しても自分の中でどんどん膨らんでいっているんですよね。それが知らないうちに「怖さ」に繋がっているのだろうと思いました。

 

そして、影山は自分に対して友人以上の感情は一切持っていなかったので「好きになった人が自分の方を向いてくれる」という事はなかったわけです。それが今、二度目に好意を寄せた相手は自分の事を綺麗だと言い、自分を「尊敬」「愛情」の混じった目で見てくるわけです。

 

矢代にとっては経験したことのない未知のものなんですよね。どうしたらよいかわからなくなるのもわかるなぁと・・・。

 

 

そして最後に、当然ながら自分の中でも大切な存在になっていっている百目鬼を「失う」という事に耐えられないとうい怖さもやはり含んではいると思っています。

 

 

まとめにならないまとめ(笑)

まだ「矢代の怖さの正体」というのは出てくるかもしれませんが一応考えられるのはこの当たりかなと。とはいってもこの2巻の場所は私が個人的に思った箇所なので、ここの表現の方があっているんじゃないかな?というのがあればぜひ教えてください~。

 

こちらはもしかしたらコメントが入れにくいかもしれませんので、メモリーの方にこの告知用の記事を作成しますのでそちらでもいいです(⌒∇⌒)

 

簡単にまとめると。。。影山以上のダメージをくらうとわかっているから余計に怖いっているのがあるのかなぁって思ったりもします。

 

という事で、今回は第一弾。まだまだ記載したい事がありますのでそれはまた作成したいと思います!

次は「吐きそう」というこの心理と、百目鬼が矢代に言った「全部きれい」の意味、今回の扉絵とストーリー内容の照らし合わせなど・・・

できる限り記事にしていきたいと思います(o^―^o)

 

まだまだこう思った!というのがあればぜひ感想や考察などお聞かせください!!!

 

そして、、、いつも矢代の事を考えようとすると「漂えば~」に行きつくんですよね。このストーリーは本当に深くていろんなことが散りばめられているなぁと感心させられます。。。早く矢代が今までの自分を受け入れてきたように、「今の自分」も受け入れられるようになってほしいなぁと思います。

 

長々と失礼いたしました(m´・ω・`)m

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