こんばんは。お気に入り作品が完結しましたので、まとめて感想を書こうと思います。英数字先生は【めんどくさいけど愛してる】という作品を読んで気に入り、注目してた作家さん。
ちょっとしっとりめの・・・暗さのあるお話を描かれるのですが・・・その世界観にピタっとはまる人はきっと気に入るのではないかと思います。
実は私は絵柄で最初惹かれて読んだのですが、作品とすごくマッチしてて。最近はBLを読み始めた頃に比べて、個性のある味のある絵柄に惹かれるなぁ・・・と思いはじめました。
今回の【初恋が牙をむく】も少し暗さのある作品です。過去に付き合ってた二人の再会BL。特に三角関係ではないのですが・・・・
切なさのあるストーリー展開で毎回ドキドキしながら読みました。
初恋が牙をむく/作品紹介
掲載雑誌 | イァハーツ |
ジャンル | 再会BL 一途 ギュギュっとくるBL |
満足度 | ★★★★★ |
内容紹介
晃生は高校生の頃、同級生の嵯峨とのキスを弟の南に見られてしまう。南にショックを与えた罪悪感から、嵯峨とは疎遠に。
十年以上経ち、嵯峨が南を芸能事務所にスカウトしたことで二人は再会。
晃生はまだ自分の気持ちが嵯峨にあることに気づくが・・・・
(イァハーツ11月号より)
注意ポイント
【ネタバレ注意】初恋が牙をむく 感想レビュー
少しせつなさはあるものの、三角関係とかドロドロ展開ではまったくないので読みやすいと思います。
キーパーソンは晃生の弟。
晃生と嵯峨は、再会してもおそらくお互いが好きなのだろうなぁ・・・と思えるのですが、弟の南の存在がやはり二人の関係発展のネックになってきます。
というのも。。。この二人の関係が壊れたのも南が関係しているから。
読み終わって感じたのは、大人になることでわかることや受け入れることが出来る事ってあるよね(*^_^*)と。
最終話が読めてほんと良かったです。最終話・・何回リピしたか!
今回は1話~5話を詳しく!というよりはこういうお話だよ!ここが面白いよ!というのが伝わればいいなと思います。
作品は・・・過去の恋に囚われてきた晃生と嵯峨が再会し、新たに関係を深めていくまでのお話。
高校生だった晃生と嵯峨がキスしているところを目撃した弟・・・「なにしてたの?」と聞かれたところから1話がはじまります。
俳優になる弟、そして初恋の相手との再会
成長した晃生と弟は一緒に暮らしているのですが、ある日弟の南が「俳優になるから」と言ってきます。
スカウトされたから芸能事務所に入るのだという。晃生はあれだけ引っ込み思案だった南が俳優に!?と驚きます。
そして、引っ込み思案になったのは自分のせいだという罪悪感も抱いていました。
事務所に南と一緒に出向くと。。。挨拶するために出てきた事務所の人は・・・なんと初恋の相手。
再会した時に過去のお話に変わりますが・・・この辺りもみどころで。すごく見せ方がお上手なんですよね。
現在と過去の切り替わりがうまいのでススっと作品に入り込むことができます。
晃生と嵯峨はつきあっていて。。。自宅でキスをしていたのを南が目撃。
その後、南は話さなくなったという。
大人になってもそれを引きずってきた晃生ですが、やはり嵯峨に会ったことがうれしかったのか、自分のコトを覚えていないか?と話しかけます。
すると嵯峨は「忘れるわけねぇだろ よくその話できるな」と冷めた目で晃生を見ます。
というのも・・・南の事があってから晃生は嵯峨を無視したようで・・・そのまま引っ越し。そこから会わなくなってしまったらしい。
「やっと忘れられたと思ったのに」と・・・。
嵯峨にとっては思い出したくない過去の出来事のようです。
このとき、どうして晃生が嵯峨を無視したかは・・・親の転勤がすぐに決まり、嵯峨と話すと離れられなくなるかもと何も言えなかったのだそう。
帰宅してから晃生は思うのですよね・・・
(嵯峨くんが好きだった ずっと ずっと会いたかった)
すれ違ったまま終った過去の恋ですが・・・再会した後に、晃生はずっと好きで会いたかったと思っているシーンが切なかったです。
嵯峨は逆に、思い出したくないというような感じで・・・この二人がどのようにまた距離を縮めていくのかもみどころになってくると思います。
[topic color="green" title="メモ"]
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ふたりの絆
2話目は、晃生と嵯峨の高校時代の事が少し描かれています。
二人がつきあうきっかけになった事など。
同性愛についての映画特集がされている雑誌を手にしている晃生に、嵯峨が声をかけてきます。
慌てる晃生ですが、、、嵯峨は「俺その表紙の映画みたよ」と。そして「俺多分「そういう」のだし」とさらっと言ってくるんですね。
そして自分はずっと晃生がかわいいと思ってたと。
そういう告白をされた晃生の目からは・・・ボロボロと涙がでてきます。多分、このへんは晃生も自分の性癖についてすごく悩んでたと思う。
それを代弁するかのように嵯峨からの告白。身近に仲間がいると思うだけですごく嬉しかったのでは?と思います。
交互に過去と現在が描かれていて、少しずつ過去のお話が濃くなっていくのが読んでて面白いなぁと感じました。
そして、なんとなく吹っ切れてそうな嵯峨と・・・全くふっきれていない晃生の会話とか・・・・ちょっと切ないです。
実際は嵯峨もふっきれてなどいないのですが、そう思えるようなはっきりとした言葉がまたどうなるんだろう?とハラハラで。
でも何となく、この二人の間には「南」がすごく引っかかる存在なので・・・南がどう動くかによるのかなと思いました。
2話目の時点では、南→嵯峨になるんじゃないかとすごくハラハラ。
3話目では,思い出の映画とか・・・そういうのが出てきててすごく引き込まれます。高校生の二人が・・・お互いの性癖で悩みながら距離を縮めていく様子にキュンキュンします。
伸びきった髪の毛だった晃生ですが、嵯峨と再会してから前を向こうと散髪するのも良かったです。(これは南のアドバイスでもあるのですけどね)
晃生が本当に南を大事にしているのがわかるので・・・余計に高校生の出来事を引きずってしまうのだろうなぁ・・・と思ってしまいます。
過去との別れ
南が自分から離れて一人暮らしをすると伝えてきました。
それを聞いて晃生は前に進むために、次会えたら嵯峨にお別れを言おうと決心します。
それは・・・高校生の時には言えなかったお別れ。
でも自分の恋も終りに・・・と思うけれど、決心してもなかなか行動には移せません。嵯峨との事を終えようと思う一方でまだ終らせたくないという気持ちもあるから。
一方嵯峨は、事務所で南から晃生と離れて一人暮らしをすることを聞きます。そして晃生は海外にいる両親のところに行くのではないかと。
南のオーディションの日、嵯峨が家に向かえに来たのですが「次あったら終らせる」と思ってた晃生は行動にでます。
南の支度が終るまで嵯峨を家にあげ、話をすることに。
そこで「高校生の時は逃げてしまってごめんなさい」と謝ります。嵯峨くんは何も悪くないのに自分に勇気がなかっただけだと。
「自分が周りと違う事や家族と向き合うことも怖くて覚悟ができなくて・・・」
あの時、嵯峨くんが気づいて受け入れてくれたのがすごく嬉しかった、ずっと言えないままだったけどあの時はそばにいてくれてありがとうと・・・晃生は言います。
南と嵯峨が家を出て行ったあと、やっと終ったのだと思った晃生は一人涙を流します。
[topic color="green" title="メモ"]
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もう逃げない
泣いていると、なんと嵯峨が晃生のマンションまで戻ってきました。南をオーディションへ送ってからすぐに戻ってきたようです。
嵯峨は、今しかないと思ったと晃生を抱き寄せます。
最初怖がらせてしまったから焦らずにもっとゆっくり行こうと思ってたという嵯峨。
でも無理だと。嵯峨は晃生に言います。
「もう逃げないで」
このとき、南から電話がなっているのですが・・・晃生は嵯峨に自分からキスをします。
このシーンは、ずっと南のことが一番でやってきた晃生が、自分のことを第一に考えた行動なのかなと思ってすごくぎゅっとなりました。
終らせよう、変わろうと思った彼ですが思いがけない嵯峨の訪問。
「逃げないで」と言われて自分の気持ちを優先できたのは・・・晃生にとってもすごく大きな一歩だったと思います。
初恋と初恋
最終話は嵯峨視点。これが私にはすごく良かったです。
嵯峨がどうして南を芸能事務所にスカウトしたのか・・・彼もまた晃生のおもかげのある南から目が離せなかったのですね。
嵯峨自身にも後悔はあって、高校生の時にもっと自分が焦らずにいたら・・・もっと大丈夫だって言ってやれたら・・・と。
スカウトしてから南があの時の弟だと知った嵯峨ですが、その後会った晃生を見てまた気持ちがこみ上げてきた様子が描かれていました。
もうなんていうんでしょ・・・切ないなぁ・・・って。
晃生の視点でずっと進んできて最終話で嵯峨視点。
嵯峨の気持ちがいまいち見えにくかったけれど、この最終話を読んでまた1話から読み返すと違った視点でよめるので面白さが倍増でした。
私がすごくいいなと思ったのは、最終話で告白したのは晃生が先だということ。
それから、高校生では出来なかったことを大人の二人がしていくのはとても良かったです。
二人の感情がすごく表現されてて。。。うるっときました。
嵯峨はモノローグで晃生は表情で・・・それが上手い具合に描かれているのですごく感情移入してしまった・・・・
二人を読んでいると、大人になったからこそ進めたんだろうなぁって思います。
身体が繋がってからの甘々な二人も必見です。
あれだけとげとげした感じが一気にトゲが抜かれたかのような・・・甘さもあってここもみどころ。
そして・・・ふたりの関係のキーパーソンだった南にも、晃生が男の人が好きだということや嵯峨とのことがバレます。
バレるというよりは・・・最後は晃生が自分の口で言えたのは大きなポイントでした。
でも南は知ってたよって( ̄。 ̄;)
南は晃生が言うのを待ってたのかな。
嵯峨とのことは(高校の時のことなどは)晃生が南に話したようです。
私・・・ツンな嵯峨も好きですが・・・気持ちが通じ合ったあとの嵯峨も良かった(≧∇≦*)かっこいいんですよね・・・
ラストで嵯峨が晃生に「今度は絶対諦めないから」っていうのもズキュンで。二人とも再会してよかったね・・・ってなりました。
二人ともの初恋だったんですよね。
ずっとずっと忘れられなかった人。それはお互いであって十年以上たってやっと蟠りもなく抱きしめ合うことができて本当に良かった。
もうちょっと読みたかったな・・・というところで終わりです。
「初恋が牙をむく」というのは・・・嵯峨視点の最終話でだからこういうタイトルなんだなぁ~というのがわかると思います!
そういうのにも注目して是非最終話を読んでみて下さい(*^_^*)
感想まとめ
高校生の時の初恋をずっと引きずってた晃生ですが、南の芸能事務所入りをきかっけにその初恋の相手嵯峨に会います。
ここから過去と現在を交互に描きつつ、前に進んでいく展開はとても良かったです。
ゴチャゴチャせずに、本当に三人が軸になってお話が進んで行くので初心者さんにも読みやすいと思います。
高校生の時には勇気や覚悟がなくて壊れた関係だけど、大人になったからこそ進める関係もあるのだと…そう思えるような作品でした。
二人の初恋が・・・実って良かった。
とても一途な作品ですので、そういうのがお好きな人は是非!
南が意外にもふたりの恋にはさほど絡んで来なくて良かったです・・・・。てっきり南が嵯峨を好きになるパターンかな!?って思ってしまいました。
すごく私は連載中にハマってよんでた作品ですので気になった人は是非!
コミックスは12月1日発売です!明日はどっちだ!と同日ですので一緒にチェックしてみてください(≧∇≦*)
英数字先生・・・オススメです★
電子書籍
初恋が牙をむく
掲載雑誌
1話:イァハーツ3月号
2話:イァハーツ5月号
3話:イァハーツ7月号
4話:イァハーツ9月号
5話:イァハーツ11月号
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