こんにちは!忘れないうちに書いておきたいことがあったので。
【囀る鳥は羽ばたかない】33話。矢代が百目鬼に「人を好きになるのってお前はどんな感じだ?」「どんな風に好きになるんだ?」と聞きます。
この事について考えます。
矢代は。。。百目鬼の傷口をさわり、「痛いんだな 俺にとってはこんな感じだ」と言う場面。
矢代のこの好きになるとどうして痛いのか・・・どういう意味なのか・・・を考えていきたい。
どうしてここを考えようと思ったか
まず、私はこの場面を読んだ時に普通に「あ、矢代は人を好きになると傷つくのかな????痛みを伴うのかな」くらいしか考えてなかったのですよね。
でも、今号の事で色々と意見交換している(コメントやメールで)ときに質問がきました。
今回のセリフは1巻の部分の事を言っていると思うけれどどう思いましたか?と。
その箇所というのは1巻の囀る鳥は羽ばたかない1話前半ですね。
[topic color="yellow" title="寄せられたコメント"]今回の「痛いんだな 俺にとってはこんな感じだ」は
影山と久我の事に関して・・・キューピッドになった矢代。だけどそれは「鋭利な刃物となって俺自身に跳ね返る」。
「なぜ俺じゃなかったのか」「なぜ俺じゃ駄目だったのか」の気持ちからの言葉なのかなと思うのですが・・・[/topic]
という考察をされた方がいらっしゃって。
わぉ。確かにかさなるでないか~!と私はこれを元にあれこれ考えたのですよ。。。
ただ、今回は心情(モノローグ)等一切なく、表情やセリフのみでの考察しか出来ないので・・・得意の妄想とちょびっっとに練りだしたことをあわせた私なりの考えを書こうと思います。
鋭利な刃物となって俺自身に跳ね返ってくる
グサってカンジですよね。この部分を読むと、影山を好きになった矢代の心の痛みが・・・よく解るような気がしました。
この跳ね返ってくるまでの過程は、モノローグに書かれています。
(1巻ー1話)
影山が男に恋をした
相手は久我。
そしてキューピッドは俺。
奴が久我を目にしたときからそういう予感はあった。俺がこうなるように仕向けたのには理由がある。
見たかったのだ。奴がどうやって男に惚れてどうやってものにするのか。
↓
そうして投げつけたものは鋭利な刃物となって俺自身に跳ね返る。
↓
跳ね返ってくる刃物の正体
「なぜ俺じゃなかったのか」「なぜ俺ではダメだったのか」
痛みを伴うというのは、このモノローグがしっかり表現しているように思います。
ここから考える事。
これだと、んんん?今回のセリフと重ね合わせたら、影山の事まだ好きってことか~マジか~~~~~~~~~~ってなります。
だって百目鬼たんに対しては「なぜ俺なんだ」「なぜ俺しかダメなんだ」の全く逆の感情を持つことになるから。
私の考察視点は、矢代が百目鬼の事を好きだと自覚している。。。と思っている人の視点から考えているものなので・・・
矢代が今、百目鬼に対して「恋愛感情」を自覚していない場合は成立しないかもしれません。
実際問題、影山の事がまだ好きなのでは?と言う人が半数以上はいると思われます。私はもう影山への気持ちは恋愛感情を通り超して違う別のものになってると感じている人ですので・・・
そういう人がこう思ったのか~でお願いします!
なので・・・違う視点からの感想もぜひぜひ(〃'▽'〃)
「痛いんだな 俺にとってはこんな感じだ」と「跳ね返ってくる刃物」
痛みを伴う・・・それはすなわち・・・自分で投げかけたものが鋭利な刃物となって跳ね返ってくるから。
その正体は「なぜ俺じゃなかったのか」「なぜ俺じゃダメだったのか」。これが今回の「痛むのか おれにはこんな感じだ」に重ねると。。。。
これは・・・・言葉通りにとると、本当にまだ影山が好きなんかい!って思ってしまうのですよ・・・ワタクシこれきいて百目鬼好き自覚派だけど揺れに揺れました。
でもどうしても認めたくない笑
だから考えました。
「どうして俺じゃダメだったのか」これを考える時に自分の本質をどうしても見なければいけなくなるからでは?と。
歪みもそうですが、この「俺じゃなかったのか」「俺じゃダメだったのか」を考えるときは自分自身を見つめ直さないといけません。
矢代は、自分自身を振り返ったり見つめ直すとどうしても過去の出来事から自分が変化したことも自覚しなければいけない。
その後に1巻では「俺は、俺自身も傍観者にすることで、俺を保ってきた」と書かれています。私はこここそが重要なのだと考えます。
傍観者になれなくなるようなものが結局は跳ね返ってくる刃物なのではないかと。
傍観者になることは、彼にとっては自己防衛ですからね。
私は、だから人を好きになるの事が痛みを伴うというのは・・・・
人を好きになると、「俺」自身を見つめ直してしまうきっかけ?になってしまい、それを考えると自己矛盾にどうしてもぶち当たってしまうからなのでは?と思うのですよ。
2巻で撃たれたとき、百目鬼をみて「カワイー奴」って思ってからの回想。「何の憂いもない」「誰のせいにもしていない」「俺の人生は誰かのせいであってはならない」・・・・
強く思い込ませようとしている場面があります。傍観者でいれるうちはこれがまかり通るのだと思うのですが、恋をすると傍観者矢代が崩れていくのですね。。。
憂いもあるし誰かのせいにもしたい(義父もしくは助けてくれなかった母親)誰かのせいでこうなった・・・それを思う自分もいるんですよねおそらく。
だけどそれを思い出したら自分自身が崩れてしまう。人を好きになると結局は防御してたものに傷を作りぐいぐいこの感情が出てきてしまうという意味なのではないかと。
最近・・・度々義父に襲われている場面や母子を見てなんとも言えない気持ちになっているような場面が出てきてるので。。。あながち間違いではないような気がします。
どうして傷がつくかは・・・本来の矢代は傷つきやすいから。
2巻でも自覚してましたからね。。。影山に拒否されたら【俺は多分簡単に傷つくのだろう】と。それを「歪み」と表現しています。(普通に欲情する事も含めて)
本来「普通」と思える事を「歪み」と表現している矢代がなんか・・・ぎゅ~~ってしてあげたくなりますね(T^T)
結局何がいいたいか
矢代が人を好きになることに対して「痛み」を感じるのは自己矛盾を自分で実感してしまうからだろうと言うこと。
「俺じゃないのか」「俺じゃダメなのか」という言葉の先は結局は自分自身を形成した出来事を後悔しなければいけない。それをしてしまったら自分が崩れる。できないからより傷つくのかなと。
だから、今回の「妹にはおまえがいて良かったな」に繋がると思います。誰もいなかったから自己防衛するしかなかった矢代だからこそのセリフのような気がして。
本来はかわいいし、好意もある。きっと百目鬼を求めている気持ちもあるのだと思う。
だけど、この状況で矢代Bは「百目鬼を捨てる」という事を選択したのですよね。
結局、この矢代Bが決断した「百目鬼を捨てる」という決意は矢代Aにとっては鋭利な刃物として跳ね返ってくるのだと思います。
自分が欲していた「自分を守ってくれる人」を捨てることになるのですからね。しかもカワイイし好意もある人物。
このヘンはほんと想像ですけども。離れていくように仕向けているのに、本来の矢代の方が傷つくとか想像するだけで胸が痛みますね。
なんか・・扉絵と被ってしまって。むちゃくちゃしっかり鳥を掴んでる・・・。(これが本当の矢代の気持ちなのかな~とか考えたり)
百目鬼から「あなたは他とは違う」と言われたとき、百目鬼の傷ついた声・・・それを聞いた時に矢代の目のカット。
このときはちゃんと矢代Aに届いてる気がする。それでも引き金を引いて百目鬼を捨てていなければいけない・・・
最後の「あたなのために~」と言われたあと「そうか」と言ったあとの・・・矢代の顔が見たい(T^T)
ほんとに結局何がいいたいのか
「人を好きになる」と「自己矛盾をより実感してしまう」からなのかな~と。簡単すぎましたか!?
Bさんの防御が崩れ、簡単に傷つくAさん出て来るのがひとつと、結局は「どうして俺はこうなった」「どうして俺は普通の恋愛ができないんだ」というのを考えると過去に戻るから,受け入れて生きてきたと思い込んでる矢代にとってはツライ矛盾を抱えることになるのでは・・・と。
書きながらなんか外川のセリフが降りてきましたよ・・・「お前は酷い奴だ 俺に過去を恨めっていうのか」っていうのが・・・(T^T)
余談でしたね。これでファイナルアンサーでよろしくお願いします。(笑)長々書いて結局これ・・・・です笑 すみません。
ちなみに、それを考えると・・・「捨ててきた」と言った矢代に影山が「惚れてたんだろ」って言いましたよね。その時に「お前が俺に突きつけるのか」の突きつけるって「惚れてる」という事もですが・・・「刃物を突きつける」ともいうしな~って・・・考えてしまいました★
おしまい。
[topic color="green" title="考察に使った巻"]
・1巻
・2巻
・5巻
・最新号(イァハーツ11月号)[/topic]