シェリプラス11月号掲載、キヅナツキさんの「ギヴン」27話のネタバレあり感想になります。雑誌最新話の感想ですのでコミックス派・ネタバレ不要な方はご注意ください。
今回の27話は「ギヴン5巻」に収録予定です。
こんにちは。普段は雑誌全体の感想でかいているギヴンの感想ですが・・・今回だけはなんかすごく揺さぶられたといいますか・・・
凄かった。どうしても今回だけは個別に感想書きたいと思ったので書くことに。
これからどうするかはわかりませんが・・・とにかくこの27話はこの作品の世界観に引き込まれてしまいました。
ライブシーンもすごく躍動感あってびっくり。キヅナツキ先生の画力の高さに圧倒されてしまいました。
よみながらたまらない気持ちになってしまって・・・。どうしても譲れない物がある、手放さないと、でも手放したくない、続いて欲しいのに終らせたい・・・
雨月・秋彦はでもこれがベストなのだと思いました。悲しいけど・・・もしかしたら違う音楽を愛することで又重なることができるのではないかと思ったけれど・・・
秋彦がヴァイオリン以外のものを愛するという事は別れを意味することでもあるのだと思いました。
シェリプラス11月号 ギヴン27話
掲載P数 | 40P |
満足度 | ★★★★★ |
ひとこと | 今回のギヴンはほんとスゴイ |
簡単な感想
- 秋彦に違う音楽をやってみたいと思わせたのはやっぱり春樹なんだなぁ・・・・
- 真冬の音楽と雨月の事が重なって・・・読みながら鳥肌がたった。
- 真冬・秋彦・雨月の気持ちが・・・泣ける。
- それぞれが一歩踏み出した今回は・・・まさに神回だと思った。
- 雨月の涙は・・・もらい泣きするよね・・・
注意ポイント
【ネタバレ注意】ギヴン5巻ー27話 感想レビュー
普段さらっと感想書いているので・・今回もわりと短めに書きたいとは思っています・・・・な~んて・・・私がそれできるわけないですよね(;゜ロ゜)
長いと思いますがお付き合いくださると嬉しいです。
音楽シーン・・・とにかく素晴らしかった。
雨月も秋彦も不器用なんだなぁ~~~~~って思いました。もっと今までここまでになっちゃうまでに方法はあったかもしれないですし・・・・
でも出来なかったんですよね。そして今に至る。
二人はすごく惹かれあっているけど電池で言ったらプラスとプラスなんですね。。。そう思うと、秋雨前線から名前をとったのでは????というコメントがありましたがこれは本当にそうだと思います。(何回も書いてるけど!)
やっと今回でその停滞が終りを迎えたということなのかなと思います。
終わりはどうやったらわかるのか・・・それは停滞前線の消滅。秋雨前線から名前をとったのであれば、やはりこの二人には「別れ」が用意されてたのかもしれませんね・・・
秋雨が終れば秋らしい時期がやってきます。
これから秋彦は秋彦らしくまた音楽を好きでたまらないと思うようになるのでしょうね・・・その隣には・・春樹かしら?
ライブ審査
いよいよ始まります。ステージに立ちながら秋彦は昨日のことを思い出していました。
『ヴァイオリンを捨てるのか』と言われ何も答えを出せなかったと。
言い出せなかったけれど「捨てない」とも言えなかった。
そもそも音楽を捨てれば全部うまくいくんじゃないか?と考えるけれど・・・・・
そう考えていると春樹がスティックで頭をコンと叩いてきます。
「ほら、情けない顔して」
差し出された手に秋彦は・・・・・何を思ったのでしょうね。
[topic color="green" title="思ったコト"]『そもそも音楽を捨てればうまくいくんじゃないか』と考えたというのはこれは「雨月」と一緒にいるためにですよね。
今秋彦は「雨月と一緒にいる」「音楽をする」という事に揺れてたのかなと。それほど音楽を好きではなくなってたという秋彦らしい心情だと思います。
でも、思い出したのですね。音楽が楽しい!ってこと。そして、ウダウダしてる時っていつも春樹が何気にすくい上げてる気がします。[/topic]
会場には雨月の姿もありました。
真冬はステージ上で今までの自分を振り返っています。
(ー前は、自分の言葉をぶつけるだけで精一杯だった)
(次は違う歌がつくりたい)
真冬がそう思えたのもきっとギヴンのメンバー・・・そして立夏と出会ったから。それがそのまま歌に表現されているようなきがしました。
自分の恋、誰かの恋・・・そして新しい音楽。
人を共鳴させる。
真冬はいきなりアカペラで歌い出します。
秋彦はこのアカペラが・・・雨月のヴァイオリンと重なりました。
気持ちが歌(音楽)にのって・・・流れ込んでくる。
歌の内容は・・・
どんなに望んでも、別れがやってくる そしてその事を受け入れられずに留まっていた
それでもどんなに望んでいなくても夜は明けていく
朝はくる。
本当は一歩踏み出せば・・・どこへも行けるから・・・大丈夫だよって言う勝手なメッセージとして私は受け取りました。
どんなにツライ事があっても朝はやってくるし、いつしかどこかへ行きたいと思うときがくる、どこへでも本当はいける。
だから心配しないで、大丈夫だよ。きっといい方向へ向かうよって真冬のメッセージかなぁと。
これは雨月にあてての真冬の言葉なのかもしれません。
自分と雨月を重ねて、立夏のおかげで前へ進めることができた真冬なりの応援ソング。
秋彦もまた、演奏しながら自分の音楽を振り返っていました。
いつから俺は音楽が嫌になってたんだろう、あんなに好きだったのに・・・
雨月の演奏を初めて聴いたときは確かに今と同じ震えを感じてたのに。。。。
そして感じます。
(ああ 音楽が好きだ。)
秋彦にとって、音楽が好きじゃないと思いはじめたのは・・・音楽が雨月をつなぐものになってしまってたからなのかなあと思います。
だから、雨月と離れてまた改めて音楽に対する感情が戻ってきたのではないかしら。
雨月の想い
雨月はギヴンの音楽を聴きながら・・・かつて思ったコトを思い出します。
【何か引き金がさえあればこいつも化けるのに】と感じてたけれど・・・それを今ここでその答え合わせをしてきたと。これを思っているシーンは3巻。
読み返してみたら・・・まだ雨月と秋彦が仲良くしてて切なくなりますね。
実は私、この27話を読みながら【化けた】と思ったのは最初は真冬の事だと思ってたんです。
いや。。。流れからこれは真冬だよねって思う人も多いと思います。だけど・・・私はこれは秋彦のことだったんじゃないかなぁ~って。
どうしてかというと、3巻の部分で【こいつも化けるのに】と思っているのがまず1点。真冬にこいつなんて思う????
そしてもう一点が・・・このあとに春樹を雨月が見てるの。
(・・・・・ああ、 そう、 その男なのか)って。
これを読んだらね、その化けるきっかけを与えたのが春樹だったと気づいた場面だと感じたの。
今回を読んだら・・・雨月もそうとう苦しかったんだろうなぁって思いました。音楽も好きだし秋彦も好き。
秋彦の才能も認めている一方で何かが足りないことをわかってたんじゃ・・・・
一緒にいて、自分ではそれが引き出せないとも思ってたから突き放したりしてたんじゃないかなってちょっと感じてしまいました。もちろん自分のコトもありますけどね。
雨月と真冬の回想も描かれています。
秋彦がこのままかえってこなかったらって何度も考えたという雨月。
何度考えてもうまくイメージできないけど。。。帰ってくるのを望んでいる一方で、この苦しみも終って欲しいと。
でも雨月は「でもやっぱりやだな」って言うの。
今までの秋彦との事が無くなっていくのは・・・何かひとつ残らないかなと。
もうこのときは・・・別れを実感しているのでしょうね。
雨月の「音楽だけは残ればいいのに」っていうのが切ないです。結局・・・最終的には音楽なんですよ。
音楽から離れることができない雨月にとっては秋彦とのことも「音楽」で繋がっているのかなと。
ちなみに・・・ライブシーン本当にスゴイのでぜひキヅナツキ先生の絵で読んで欲しいです!!!
引き込まれます。
モノローグとか、雨月の回想とか全部がライブシーンと合わさってグングン心の入ってくるの。だから・・・
雨月のことを思うと切ない(T^T)
別れ
演奏後、雨月の姿を見かけた秋彦は・・・
「春樹っ 俺ちょっと人駅まで送ってきたいんだけど」
「いいけど 次すぐ始まるよ」
「すぐ 戻ってくるから」
このあとの春樹の顔がね・・・きゃわわです。「・・・いってらっしゃい」って・・・はぁ~~~~~~~~~~ここも何気に変化してますよね。
以前の秋彦だったら絶対春樹にさえこんなこと言わずに勝手に行動してた気がするもの。
「すぐ 戻ってくるから」っていう台詞ももう雨月のところには戻る気はないようなそんな台詞にもとれてしまって。
雨月のあとを追った秋彦ですが・・・呼び止めても雨月は振り向きも止まりもしてくれません。
「雨月、オイ止まれ」
「嫌だよ」
「だって とまったら、別れ話すんだろ?」
雨月は秋彦のドラム良かったよと伝えます。そしてまた・・・歩き出す。
「聞けよ」そういってガシっと手を掴むとようやく止まってくれました。
秋彦は、ヴァイオリンが好きだと。。。ドラムも楽しいけど今までヴァイオリンに注いだモンは嘘じゃないと言います。
ヴァイオリン=雨月ってどうしても考えながら読んでしまいますね。
それを聞いて雨月は・・・「なんだそれ 別れ話じゃねぇか」と。
そして秋彦も言うの。
「・・・・そうだ 悪い」と(T^T)
今まで傷つけてきたことを謝り、そして「ありがとう」と。そんな秋彦を雨月は「応援してる」って言うんですね。
「もうわかったから離してくれ」って言ったあとにぎゅっと一度強く握って・・・手を離したシーンがもうなぜだかしらないけど泣けてしまって。
自らの意志で秋彦は雨月の手を離したのだと本当にそう思えるシーンでした。
先に歩き出したのは秋彦の方。
雨月は振り返り、そんな秋彦の後ろ姿を・・・涙を流しながらみつめます。
追いかけたいのに・・・どんどん遠くなっていく秋彦。
呼び止めたいのに声もでない。
そんな時に真冬の声が聞こえます。
【大丈夫 大丈夫】
二度と元に戻らなくても 遠くにいても・・・大丈夫。
雨月は・・・見えなくなった秋彦に向かって言います。
「ばいばい、秋彦」
感想まとめ
はぁぁぁぁっぁ(T^T)雨月~~~~~~~~~~秋彦~~~~~~~でした。
秋彦苦手だったけど・・・雨月に対してはほんと一生懸命だったし好きだったのだろうと思います。
ただ、二人にはどうしても「音楽」を飛び越えて繋がることができなかったんですね。
違う音楽を楽しいと思えた秋彦を「応援してる」と言って手放した雨月には拍手を送りたい。
好きだけど、彼らは自分の優先順位をはっきりと自覚しているのですよね。
だから・・・だからこの二人の結末は私は納得でした。
秋彦が「俺が音楽を捨てれば全部上手くいくんじゃないか?」なんて思ってたけど、それが出来ないのも雨月は知ってたと思う。
自分が音楽を捨てられないように、秋彦もまたそうなのだろうと思ってたんじゃんないでしょうか。
「替えのきかない相手」お互いがそうだったのだろうと思います。でも・・・上手くいかなかったんですね(T^T)
そして…荒れに荒れた秋彦を他の道へ導いたのが春樹。
それにも気づいたのでしょうね。。。直感かしらね!?!?
読み返してみると・・・もともとドラムはやってたっぽいですけど秋彦をこのメンバーに誘ったのも春樹ですもんね。
秋彦が「音楽が楽しい」ってまた思えるきっかけを与えたのは・・・他でもない春樹だったのだと改めて思わされました。
今後はどうなのかな・・・秋彦→春樹になっていくのかなぁというところですね。いやいや・・・まだまだこの二人にはあるでしょうね。
秋彦が同居してたのが雨月だって春樹は知らないですし。
ずっと秋彦が想ってたのが天才さんだと知ったら・・・春樹はまた落ち込むような気がする。
秋彦は荒れさえしなければ基本一途な男だから・・・今後は改心してガンガンいくような気もするし・・・春樹スキーさんだから秋彦は・・・ってちょっと思ってたけど、秋彦→春樹が読めたらコロっと秋彦ガンバレ!って思ってしまうと思います(;゜ロ゜)
実際・・・なんだかんだで秋彦×春樹になればいいななんて思ってる私は少数派かも。いやいや・・・今回の事を読んだら秋彦の事は嫌いにはなれませんよ。(多分)
むしろ頑張って新しい道に進んだ二人を応援したくなります。
と・・・長々とかきましたが・・・
今回は雨月・秋彦の長い苦しみが・・・終った回でした。切ないし悲しいけど。
今回を読んで、4巻読み返すと涙涙ですよ・・・あと4巻は重要巻ですね。
秋彦と春樹が関係をもった巻でもあります。ここがまず・・・ターニングポイントだったんだなぁと。。これから明かに秋彦の気持ちが傾いていってしまってる。
春樹が「なんでもしてあげるから」という言葉を口にしたのがきっかけだったのだろうか。4巻以降を振り返ると・・・二人で新しい景色をみてるような気がしますね!春樹と秋彦。。。
ますます目が離せないなぁ~と思いました。
このまま大人組。。。。突っ走っていって欲しいけど・・・高校生組も気になるし・・・
とにかく!今回はほんとみどころがすごくあって・・・個人的には衝撃的な回でした。