Canna Vol.62掲載、文乃ゆきさんの『ひだまりが聴こえるーリミット-』11話のネタバレあり感想になります。雑誌最新話のネタバレ感想ですのでコミックス派・ネタバレ不要な方はご注意ください。
今回の11話は『ひだまりが聴こえる-リミット-2巻』に収録予定です。
こんばんは!『ひだまりが聴こえる-リミット-2巻』が12月28日発売予定だと書いてありました!楽しみですね。
Canna Vol.62 ひだまりが聴こえる-リミット-11話
掲載P数 | 52P |
満足度 | ★★★★★ |
ひとこと | こうなる予感はしてた |
ひだまりが聴こえる-リミット-11話 簡単な感想
- いろいろな視点から人の心理や行動が読めて興味深い。
- リュウくんは千葉さんの事本当は大好きなんだなぁ・・・って思えた、、、
- 犀さんの話がここで出てきた!
- リュウくんと千葉さんも、ちゃんと蟠りがなくなるといいな。
- 航平が太一の会社にやってきて・・・ちょっとツライ展開に。
- このもやっと展開から抜け出せるのはいつだろう!?
注意ポイント
【ネタバレ注意】ひだまりが聴こえる-リミット-2巻 11話 感想レビュー
今回、52Pという大ボリューム。
どこも重要で・・・しかもすごい展開で・・・一度はこうなるのかななんて思っていたのですが、やっぱりモヤモヤっと。
航平は、、、どんな風にこの負の感情から抜け出すのかなと。。。ドキドキしながらこれから見守らなくては。
そしてリュウくんと千葉さんもまた仲良し兄弟に戻って欲しいですね。
幼少期のリュウくん。。。むちゃくちゃ可愛くてなんかキュン♥ってした。。。リュウくんの話になるとお兄ちゃんの顔になる千葉さんもすごく良かったです。
きっとここは何かがあるのでしょうね。千葉さんの彼女絡みかしら。
そして犀さん!犀さんの話はいつも重要というか・・・犀さんって何気にキーマン。
では早速本編です。ちょっと長いです。
立場がかわった途端に・・・
リュウくん、あの嫌な子を殴ってしまって…彼がSNSで会社の悪口まで発信したもんだから会社として謝りにいくのだと連絡を貰います。
電車の中でPCを広げながらTV電話で手話をしているリュウくんを見て、女子高生達が動画撮影し笑っています。
リュウ君は彼女たちの姿を見て、太一をバカにしていた子たちの事を思い出してしまいました。
あの時、彼らが太一にバレないように手話をしていた内容がここでわかります。
『金なくて大学辞めたって 勉強できない言い訳?』
『見るからにバカそうな面してるし』
太一には何いっているかわからないはずだからとバカにして笑っていたんですね。
きっとあの子たちと今目の前にいる女子高生達が重なったのだと思いす。
ここで、「あれ・・・リュウくん?」と航平が声をかけます。
航平もリュウくんの会社へ行こうと同じ電車に乗っていたようです。
手話で話す航平。それを見てまた女子高生達が大声でカッコイイだの騒ぎます。(これも聞こえるはずないと思っての行動)
当然、航平は聴こえるので「あの・・・俺になにか?」と女子高生たちに話しかけます。
「!」
「な・・なんでもないです~」
「すみません・・・」
恥ずかしそうにする彼女達を見てリュウくんもニヤニヤ。
リュウくんと航平
リュウ君と少し話しをする航平。
どうしてリュウくんの会社に行こうと思ってたかというと、前回のことを謝りたかったから。
急に帰ってしまって雰囲気を悪くしたのでは?と航平はリュウくんに言います。
「ごめんねせっかく呼んでくれたのに・・・・」
リュウくんは、これに対し「なんで航平が謝るの?」と。
悪いのは向こうだと言います。
自分達だって少なからず同じ目にあっってるはずなのに、立場が変わった途端に力を持った気でいるバカな連中。
彼らは数が多ければそれが正しくて、自分達がやってることは差別だなんて思わない最低だと。
「・・・そうだね」
航平は暗い顔で答えます。
リュウくんは彼らが太一に何を言ったのかとか聞かれなかったのか?何を言われたか気になるのに言ってないの?俺から教えてあげようか?と言うと、航平がいきなりリュウくんに怒りの感情をぶつけます。
「ダメ!こんな事で太一を傷つけたくない 言ったら許さない」
はっと我に返る航平。太一の事になると感情が抑えられないのですね。
リュウくんは航平に『前に言ってた正反対の奴ってアイツの事?』と尋ねます。
航平は太一みたいになりたいのか?なんでそんなこと思うのか、聞こえないから今のままが嫌なのか?とズバズバ聞いてきます。
航平は、太一はどんな人でもただひとりの人として見てくれる。聴こえるとか聴こえないとかそういうことで人を分けたりしない。
太一自身に偏見がないから誰の心にも寄り添えるのだと思うと言います。
そして、そんな太一を見ていると自分も周りに優しく出来るんじゃ無いかと思えてくると。
「そんなの幻想なのに」
航平は自分のコトを話しはじめます。
きこえないと言う度に自分が弱くなったみたいに感じてた・・・自分の居場所はないと思ってた。
それは、自分自身がきこえない人を心の底で差別してしていたからだと。
「最低でしょ」
↑この最低はさっきの太一をバカにしてた子たちをリュウくんが「最低だ」と表現してた事と同じ意味の「最低」です。
自分はリュウくんが最低って言うような彼らと同じような人間なのだと言っている箇所ですね。
航平は、もし耳が聴こえる立場だったら彼らと同じような事をした,太一を傷つけたのは自分かもしれなかったのだと言います。
「聴こえない事より 大事な人を傷つけることのほうがずっと 嫌だ」
リュウくん自身のことなんじゃないの?
すると、航平は、この感情はリュウくんも同じなんじゃないか?と聞きます。
千葉さんがあんなに流暢に手話で話せるのは、ずっと使い続けてきたから。
ずっとリュウくんのそばにいたからだと指摘します。
それを聞いて、幼少期の事を思い出すリュウくん。
千葉さんがリュウくんに手話で話しかけています。子供の頃はすごくお兄ちゃん大好き!!!!って言うのが伝わってくるようなシーンが描かれていますヨ。
「前に言ってたよね?」
「俺の・・・彼女がかわいそうだって」「世話をするために自分の人生を棒にふってるって」
でも、それはリュウくん自身のことなんじゃないのか?と尋ねる航平。
千葉さんにこれ以上我慢してほしくなくて離れたんじゃないか。きこえる世界から自分が居なくなればいいと考えたんじゃないかと。
犀さんと太一
太一の会社にて。犀さんから補聴器が入ったダンボールが渡されます。
広げてみるとたくさんの種類が入っていて、航平と同じものもあり太一はかけてみることに。
すると、すごい音が聞こえてびっくりしてしまいます。
「ははは 健聴の人が着けるとそうなるよね」
元は集音器だから、調整しても聞きたい音だけ拾ってくれるわけじゃないのだという犀さん。
(あいつ こんなんつけていっつも俺の話聞いてたのか)
犀さんは、だから補聴器をつけたからと言って健聴者のようにきこえるワケじゃないのだと言います。
「世間じゃそう思ってる人も多くて」
ここから犀さんの彼女の話になります。
昔彼女もよく補聴器をつけているのに何できこえないのって言われると言っていたと・・・。
「彼女って、前話してた聾の・・・」
「そうそう よく覚えてるね」
「犀さんは今でもその、 その人の事好き・・・なんですか?」
犀さんはもう二十年前の話だから・・・とてれながら言うのですが、嫌いで離れたわけじゃないからと別れるまでを話してくれます。
大学を卒業して別々の会社に就職した二人。
彼女が就職した会社はまだ障碍者雇用をはじめたばかりで社内の理解もあまりなかったのだと言います。
だからいろいろと大変だったんですね。嫌味を言われることもあったり会議の記事録を頼まれたり。
学生の時には助けてもらえてたことが社会人になったらそうもいかなくて、彼女はどんどん憔悴しきっていったようです。
犀さんは、そんな彼女をみてせめて一緒にいるときはと彼女のために立ち働いたのですが、かえってそれが逆効果になったのだという。
「今にして思えば 彼女は僕と対等でいたかったんだろうね」
「僕に何かをしてもれうことが申し訳ないと言い出した」
そして。。。その後犀さん自身も彼女にとって自分の存在がプレッシャーになっているのならそばに居ない方が彼女のためだと思うようになったようです。
彼女は結局会社を辞めて、どこかの施設で働いていると人伝に聞いたきりなのだと・・・。
「彼女は最後にこう言ったんだ」
「『障碍を持って生きるということは 寂しさに慣れる作業だ』って」
犀さんはそんなセリフを彼女に言わせて閉まったことを今でも悔やんでいるようです。
太一は、犀さんの話を聞き、航平もそんな風に思っているのかなと考えてしまいます。
(どうやったら 俺がいるって分からせられんだろ・・・)
逆ギレかましたあげく、グチによって航平の口を重くしてしまっていたと後悔する太一。
「戻りました」
ここで千葉さんが会社に戻ってきます。
お兄ちゃんの顔
千葉さんが太一に「リュウの会社のイベントだかに行ったんだって?」と聞いてきました。
「や、呼ばれたのは航平の方で俺は無理やりくっついてっただけなんすけど・・・」
そして太一は、リュウくんの事をべた褒めします。
タメなのにかっこいいと思ったという太一に、千葉さんが「・・・そうか」と嬉しそうに笑います。
これには太一もびっくり。幻か!?にちょっと笑ってしまいました。
太一は、いつから手話をやっているのか、やっぱりリュウくんに習ったのかと千葉さんに聞きます。
「・・・逆だ 最初は俺がおいつに手話を教えた」
千葉さんは、リュウくんが生まれつき耳が聞こえないとわかってから本を呼んだりして独学で勉強したのだそうです。
「・・・千葉さんて結構弟思いなんですね」
「あ?」
太一は、自分はひとりっこだから弟とかいるのちょっと憧れるのだと話すと、「そんな憧れるほどのもんじゃない」という千葉さん。
散々兄貴面しても、ウザがられて避けられたたら形無しだと言います。
太一は、リュウくんはいろいろを気遣ってくれたりしてくれたと。千葉さんの事が嫌なら後輩の俺にそんな気遣いすらしないはずでは?と。
「だから避けてるのは嫌いとかじゃなくて何か別の理由があんのかもって思ったんすけど・・・」
と言いながら最後はちょこっとおちゃらけてしまう太一。
千葉さんとじゃれ合っていることろに・・・・天童さんに案内された航平がやってきました。
千葉さんとじゃれてる航平に「太一」って声をかけたときの航平の顔・・・・ちょっと怖かったです(T^T)
航平は太一に話があって来たようですね。
距離をおきたい
太一は、航平が急にきたことで何かあったのでは?と心配します。
メールしても返事ないから来たのだと答える航平ですが・・・そういえば・・・携帯はお祭りの時に壊れてましたね( ̄。 ̄;)
ずぶ濡れの姿を見てタオルをとってこようとする太一ですが・・・・
航平は後ろから太一に抱きつきます。
「・・・行かないで ここにいて」
航平は、前回の事をあやまります。
「そ、それは俺もわりぃし ってかお前ほんと大丈夫か!?」
このままだと風邪を引くというと、航平は太一がぬれちゃってごめんねとまた違う意味でうけとっちゃって(T^T)
そして・・・航平は太一の頬に少しだけ触れたあとにちょっと悲しそうな顔をして・・・
「・・太一 俺しばらく太一と距離置こうと思って」
太一のことになると冷静でいられなくなるから少し頭を冷やしたいのだと言います。
こんな大事な場面でね・・・・なんと!天童さんが割り込んでくるんですよ(T^T)
雨が酷いから千葉さんが車だすと言ってるからどうする?と。タイミングわるいよ・・・ほんと( 。-_-。)
航平は・・・ひとりで帰ると言って話しも終ってないのに階段を降りて行きます。
「こ・・っ 航平!まっ・・・・」
太一の声を拾った航平は、振り向いて・・・「・・・ごめんね」そう言って帰って行ってしまいました。
太一はというと・・・今までにないくらいにショックを受けた顔をしていて・・・
この場面は読みながら胸がギュ~~~~~ってなってしまいました。
ここで次号。
感想まとめ
大雨の回でしたね(T^T)いろんな意味で。
航平はどうしちゃったのかしら。リュウくんの言ってる事も分かるし、太一と一緒にいたいし、でも一緒にいたら迷惑かけてしまうかもしれないし・・・
航平の中でいろいろな感情が出てきてぐちゃぐちゃになってしまっているのですね。
太一の事になると冷静でいられない→距離を置きたい・・・この流れがなんか切なくて。太一に何も話してないのに、勝手に離れちゃったら太一はどうしたらいいのかな。
太一が航平の力になりたいと思うのは航平のためじゃなくて自分自身のためなのに、全部迷惑かけてるって思ってしまうのが何かツライです。
これも劣等感というか卑屈さがあるからなのか。風邪ひくのくだりも、太一は航平の事を心配してのセリフなのに航平は太一に風邪を引かせてもしまうという考えになってしまってますし(T^T)
表情が切なすぎて、早く二人に笑ってほしいです。
あと、作中に出てきたマジョリティになった途端にマイノリティを排除するというか蔑むというのは心理的にはよくあることですよね。
それが健聴者とか難聴とか・・・そういうのはあまり関係ない心理だと思います。
集団になった時に大きくなったような気持ちになってしまう・・・ほんとあるあるですよね。
視点的には、あの難聴の男の子達だって実はそういう心理はあるんだよという事が描かれていてすごく私はこの部分を評価しています。
一方的な見方ではなく、多方面からの視点。そういうところは障碍があるない関わらず、誰でも人を蔑む立場になってしまう可能性を持っているのだという事ですね。
リュウくんにとっては、この件はいろいろと考えさせられる大きな出来事だったのではないかと思います。
同じコミュニティだった子が今リュウくんの敵?になっています。皆が同じ視点を持ってる仲間ではないという事ではないでしょうか。
だからきこえる・きこえないで敵味方は区別できないということにもなるのだと思います。健聴者を排除してきたリュウくんですが、少しずつそういう考えも変わってくるような気がします(#^.^#)
これからお兄ちゃんも活躍して欲しいし、実際千葉さんの表情を見てたらすごくリュウくんが好きで心配もしてますよね。
リュウくんも拗れたのは大好きなお兄ちゃんの負担になりたくなかったからなのかな、と思うと避けるという態度が精一杯の愛情表現だったのかもしれないと思ったり。
いろいろと視野が狭くなって一方通行しか見ていなかった人にとっては太一みたいな誰に対しても何に対してもフラットな視点を持ってる子って重要なのですよね。
ただ・・・航平は、太一がフラットだからこそ、自分の難聴に対する意識に気づいてしまったのだと思います。
自分自身が「難聴」に対して変な意識があったのでは・・・と。
う~ん、でも航平はきっと聞こえてても人をあの子たちみたいにバカにするような事はしないと思うけどなぁ・・・・・
ってちょっと思ったのですけどね。きっと、立場が変わってたら好きな人のために太一と同じ事をしてたようにも思えますが・・・その可能性は考えられなかったのかな。
太一と自分は違うとすごく思ってる節があるから、同じ視点では考えられないのかもしれませんがちょっと切ないです。
あと犀さんのお話は・・・切ないです・・・いつか犀さんの彼女だった人と再会してほしいな(T^T)
犀さんが今こういう仕事をしているって彼女さんにも知って欲しい。。。寂しさに慣れる作業って思うのではなく、こうやって遠くからでも寄り添っている人がいるって知って欲しいですね!
最後に、航平が距離を置きたいと言ったときの太一の表情(T^T)
急にそんなこと言われたら普通にショックですよ。でもここは太一の頑張りどころなのかもしれない。
犀さんは「そばにいない方が彼女のためだと思うようになった」と離れてしまったけど、太一は「俺のために航平に居て欲しい」って・・・言う気がする!
でも航平も頑固そうですからね。航平の気持ちは・・・どうしたら今ハマってる沼から抜け出せるのかな。。。
きこえる・きこえない関係なく、家族からも友達からも太一からも・・・必要とされているんだって思えるようになるといいなぁ・・・・・。太一が誰にでも同じ視点でと思っているなら、太一はそういうの関係なく航平が好きになったはずなのに(T^T)
急に距離置きたいなんて言われたらそれこそ、自分のせいだって太一悩みそうです。
航平が前をむくきっかけになるのは・・・ヤスくんマヤちゃんな気もするし・・・航平が犀さんと話す機会とかあったらいいなとか思ったりもしますし。。。。
お母さんの出番のような気もしたり・・・?とにかく今後、注目ですね。
最新刊が12月28日発売ということは、ここまでが2巻でしょうか(T^T)ここで2巻なのね・・・次号は2巻その後があるかな?と思いましたが、どうやら休載のようです。
コミックスの方に描下ろしがあるようで、そちらの方でちょっと萌えを期待!!!
また2巻発売記念でサイン会とか・・・・あったらいいなぁ(T^T)前回外れちゃったからもしあったら頑張りたいです。
ということで、11話の感想でした。相変わらず長くてすみません。
ここまで読んでくれた方!ありがとうございます☆感謝!
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